投資家がファイナンスを学ぶべき理由 石野雄一著「ざっくりわかるファイナンス〜経営センスを磨くための財務〜」を読んで

こんにちは!トムです!

今日は石野雄一著「ざっくりわかるファイナンス〜経営センスを磨くための財務〜」を読んで勉強になったことを書いていきます。

ファイナンスとは?

日本語では財務と言いますが、ファイナンスの概念が英国で生み出されたものの為、この本では英語のファイナンスと統一されています。

私はアカウンティングとも言われる会計と混同してましたが、異なるものです。詳細は本文を読んで頂ければと思いますが、印象的だったフレーズがあります。

会計は企業の過去を表し、ファイナンスは企業の未来を表す。

会計は今までの業績を表すもので、勿論重要なのですが、ファイナンスは企業がこれから生み出す価値を示すものとして、また別の性質を持った重要な指標、ということです。

そしてファイナンスとは、企業において投資に関する決定、資金調達に関する決定、配当に関する決定という、投資家にとって非常に重要なファクターに関わるものということです。

それらは即ち企業価値を最大化するという目的で行われており、企業の将来性を考える投資家にとって必要不可欠な知識だと感じました。

他の本との違い

解説はわかりやすく要所を抑えていると思いましたし、それ以上に筆者が理解でつまづいたポイントや、過去誤解していた部分を強調して書いてくれているので、わかりやすく感じました。

こういう本を書いている専門家の方は、知識の押し付け(ある程度は仕方ないのですが)と感じてしまうような、情報の羅列や読み難い記述があったりするのは割と普通ですが、この方はそれも少ないように感じます。

あまりに簡素な記述だと情報量が足りなくなってしまうこともありますが、この方はそのバランスがとても自分好みだなと思いました。

ファイナンス以外のことも勉強になる

この本には会計についての知識も勿論しっかりと書かれていますが、それ以上にファイナンスにまつわる、周辺の話も書かれている点も面白く読めた原因かと思います。

なぜ上場したばかりの企業が増配を発表するのか?投資家にとっていい会社とはなんなのか?お金の価値は、そのお金をいつ受け取るかによって変わる、お金の時間価値のことなど。

特に「危機」の話は膝を打ちました。よくリスクを取る、リスクマネジメント、というような言い方をしますが、なんとなくイメージとしては、負債を飲み込むような状況を想起していました。しかし筆者がアメリカのビジネススクールで聞いた話は、私の認識を整理してくれるものでした。

他にも利回りの解説など、なんとなくわかった気になっていた用語の解説などもあり、面白く読めました。ファイナンス以外のこと、と掲題しましたが、それだけ多岐にわたる範囲をカバーしていること言葉がファイナンスである、とも言い換えられるかと思います。

投資とは何か?

企業財務の話だけでなく、私のような浅いレベルの個人投資家でも聞いたことのある言葉がたくさん出てきて、丁寧に解説されています。

ハイリスクハイリターン、S&P500、期待収益率、複利などなど、、

私は投資のことを考えた時に、どうしても自分からの目線だけで考えてしまいがちでした。どれくらい利益が出そうなのか、自分の預金がいくらあって、余力がどれくらいあって、利回りはどれくらいなのか。どうすれば金の卵を生む鶏を沢山飼えるのだろうかと、そんなことばかり考えていました。

勿論それが悪いことではありませんが、投資をするということの意味、それはつまり、私たち投資家に対して活動している企業があり、その企業の一部に参加する、ということが、以前よりも想像しやすくなったと思います。

最後に

この本を読んで経済は、企業活動は面白い!と思えました。今までなんとなくで理解していたことが線で繋がり、具体的なイメージが立ち上がってきたように思います。

用語の解説も非常に分かりやすく、例もだいぶレベルを下げてくれているので、文系出身の私でも全くわからないような例式はありませんでした。苦労する部分はありましたが、、

筆者の方が難しい話です、と題してくれている部分がよく読む実用書くらいのレベルだと感じました。

何か勉強をしたい方、特に個人投資家の方には非常にオススメの本です!

以上、それではまた!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA